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"歴史痛"の看板に偽りなし?戦国トリビアシリーズ【第二十四夜】

JUGEMテーマ:コラム


 

戦国与太噺。導入部、となぜ素直に命名出来ない。(画像は斬?スピリッツより)


■五月二十四日のトリビア

 毛利家に滅ぼされた尼子家の御家復興に総てを賭けた
 『山陰の麒児』山中鹿之介。最終的には秀吉の麾下と
       なったが、実はその前に明智光秀の家臣となっている。  



■戦国きっての殺戮マシーン?山中鹿之介の思考に光秀が嘆息した理由とは?

 さて、今回も前夜に引き続き『山陰の麒麟児』こと山中鹿之介(やまなかしかのすけ 1545?〜1578 甚次郎・幸盛の知られざる歴史秘話をひとつ御案内。

 お話は、因幡国で極悪非道なテロ活動を敢行したのに怨敵・毛利家はビクとも揺るがなかったという空しい事実を知ってしまった鹿之介のその後から始まります。
 武士の誇りをかなぐり捨ててまで、盗賊の真似事までして毛利家の領土撹乱を狙った破壊・略奪活動を幾度も繰り返せど、まったく毛利家に動揺が見られないという展開に直面した鹿之介、一党を集めて指針転換を図ります。


 『く。せっかく因幡国の民を犠牲にしてまで悪逆非道の暴虐テロを引き起こしたというのに、毛利家の地盤は微塵の揺らぎもない…。

 やはり、ここは戦国武将らしく合戦を起こして…毛利家から武力で領土を還するしかない!!



 そう考えた鹿之介は、御家復興の御旗である尼子勝久を擁して中国地方東部の反毛利家派閥の大名家の元を流浪。

 因幡守護職・山名豊国(やまなとよくに)が家臣に奪われた鳥取城を奪還する手伝いをしたり、備前国で守護・赤松家よりも強い勢力を持っていた守護代・浦上宗景(うらがみむねかげ)の後援を受けて毛利家に対抗しますが、もはや戦国時代屈指の大勢力となっていた毛利家の前にはそんな小粒な諸勢力では、鎧袖触。

 山名豊国は鹿之介の尽力で帰還できた鳥取城ともども毛利家に降伏してしまい、浦上宗景は毛利家の攻勢を食い止めるべく軍事力をすり減らした隙を『三備の梟雄』宇喜多(うきたなおいえ)に突かれて下剋上され、備前天神山城から追放される憂き目に。


 直家は戦国大名として独立するも毛利家に所属したため、鹿之介が挙げた不撓不屈の武勲は結局、無駄になってしまいました。
( ・(,,ェ)・)。oO ( 悲劇のヒーローと報われない努力って、戦国時代には結構な確率でワンセットになってる気がします。真田幸村とか石田三成とか。 )


 
『くっ。またしても失敗か。…――こうなったら、毛利家に正面切って互角、いや互角以上の勝負が出来る戦国大名…

 ――浅井・朝倉家、伊勢長島一向一揆、そして室町幕府と敵対する諸勢力を次々と滅亡させ、飛ぶ鳥を落とす勢いの『第六天魔王』…織田長を頼るより、他に術はないッ!!!』


 鹿之介は尼子勝久を首領とする旧尼子家残党を率いて上洛、織田信長に拝謁。
 以降は織田家所属の一武将として活動することになるのですが…歳が若く勇敢なわりに、滅び去って十年になる尼子家の御家復興に固執する頭の固い鹿之介を見て、信長は彼の武将としての素質を即座に看破。

 彼を近畿管領軍として丹波国・丹後国(両方とも現京都府北西部)攻略を任せていた重臣・明智光秀預けとしました。

 既に長槍足軽の組織戦術や大量の火縄銃を導入すること、都市部にあぶれていた流浪の民を雇用することで農閑期・農繁期関係なく軍事活動を行うなど革新的な大名家経営をしていた信長には、自ら合戦場で先陣を切って一騎討ちを敢行する…言ってしまえば『古いタイプの猪武者』だった鹿之介の価値観を低く感じられ、直臣とするより陪臣として最前線で戦う軍団に所属させるほうが使いでがあると思えたのでしょう。


 しかし、そんな信長の思惑を露とも理解できていない鹿之介は欣喜雀躍。

 上司である明智光秀が現在着手している丹波国・丹後国攻略が完了し、両国が織田家の属領となった暁には、信長軍の西部戦線はかつて尼子家が本拠地とした出雲国(現島根県東部)に向けて一歩前進。

 長年の夢であった御家再興が果たせる可能性が見えて来るからです。

 光秀の麾下として一生懸命に働き、既に二度に渡って(くびくよう。戦国武士は戦場で討ち取った首級が三十三に達すると、ひとつの区切りとして今まで挙げてきた手柄首をまとめて供養する習慣のこと。これが出来るということは一流の武人であるという証であり、鹿之介はこの"首供養"を二回達成している、ということは自身が討ち取った首級が66個を超えていた計算になります。山陰の麒麟児恐るべし。)をしている自身の不撓不屈の戦闘魂があれば、その日は決して遠くないと値踏みしていたことでしょう。
 


 しかし、そんな鹿之介の皮算用も空しく…明智光秀の丹波国攻略は目覚しい戦果を挙げることが出来ませんでした。

 もともと峻険な山岳地帯とそれに囲まれた丘陵が折り重なる丹波国は天然の要害であり、これを拠り所にする地元豪族・波多野(はたのひではる)らの抗戦に光秀軍は悪戦苦闘、戦線はすっかり膠着してしまっていたからです。

 そうこうしている内に、1577年(天正五年)十月、一度叛旗を翻すも降伏して許され、大和信貴山城城主となっていた稀代の悪党武将・松永久秀が突如として織田信長に二度目の叛。
 久秀は本願寺戦線に出陣中だった摂津天王寺の陣を勝手に引き払い、越後から上洛してくると噂の高かった上杉謙信を頼みに篭城戦を展開することになります。


 明智光秀の軍勢はいったん丹波国攻略から離れてこの謀叛鎮圧にまわることになり、光秀軍に参陣していた鹿之介もこれに従い松永久秀の本拠地である信貴山城を包囲していたのですが…。


 事もあろうに、山中鹿之介。


 麾下に大勢の尼子家残党を抱える大将の身でありながら、まるで端武者の如く最前線を先駆けて松永軍を攻撃!!

 戦場で遭遇した敵方の武将・河合秀民(かわいひでたみ)と取っ組み合いの一騎討ちを演じた上、これを見事討ち取る勲を立ててしまったのです…。



 既に付き合いの長い尼子勝久や旧尼子家残党には見慣れた光景だったことでしょうが、この軽率な行動に呆れたのは直属の上司である明智光秀

 血糊に濡れた河合の首級を片手に戻った鹿之介に対し、賞賛ではなく難詰の言葉で憤慨しました。


『山中殿は、仮にも一軍を率いる将であろう。

 それが匹夫の蛮勇、我が身を省みずに最前線まで出向いて一騎討ちするなど、いったいいかなる所存か。
 こたびは生還出来たから良かったようなものの、もし討たれて居ればどれだけ織田軍の指揮に影響したと思っておられるのだ!?』



 『山陰の麒麟児』、鹿之介にしてみれば当たり前の行動だったのでしょうが、この常識外れで後顧の憂いを省みない彼の愚挙に光秀は甚だ御立腹。

 鹿之介は以降、明智軍では半ば異端視され"干される"ことになってしまいました。既に戦国乱世も終わりが見え始めた時代、もう鹿之介の様に大将自ら槍を振るって獅子奮迅されては組織戦術の邪魔にしかならなかったのです。信長が直臣に召抱えなかったのは、こういう事態を見越してのことだったのでしょう。


 ほどなくして、鹿之介ら尼子家一党は明智光秀の麾下から離れ、播磨国(現兵庫県南部)の攻略、織田家の対毛利家戦線の急先鋒を任されていた羽柴秀吉の下におちつくことになるのですが…これが、後に尼子家残党の宿願である御家復興の夢が絶たれ、山中鹿之介自身もその生涯を閉じる予兆になるなど、誰に予想が出来たことでしょう…。



 


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■赤

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☆【日本の歴史】もっと戦国時代を知ろう! おもしろすぎる戦いの数々

富田様のサイト。戦国時代における合戦にスポットを当てて紹介されています。

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