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"歴史痛"の看板に偽りなし?戦国トリビアシリーズ【第二十三夜】

JUGEMテーマ:コラム


 

戦国与太噺。導入部、となぜ素直に命名出来ない。(画像は斬?スピリッツより)


■五月二十三日のトリビア

 『我に七難八苦を与え給え』と三日月に祈った不撓不屈の
 闘将・山中鹿之介。滅びた尼子家を御家復興させるべく
       尽力したが、実は一時期ロリストだったことがある。  



■山中幸盛、その比類なき尼子家への忠勤と義侠物語に隠された暴虐。

 山中鹿之介(やまなかしかのすけ 1545?〜1578 甚次郎・幸盛と言えば戦国武将Fanの皆様にはお馴染み、山陰の麒麟児。毛利元就のために滅亡の憂き目をみた主家・尼子家(あまごけ)の御家復興のため東奔西走し、山の端に浮かんだ三日月に『願わくは、我に七難八苦を与え給え』と祈ったという筋金入りの驍将です。


 その忠烈無比な生き様と不惜身命の闘い振りは、その悲劇の最後とあいまって後世まで『武士の鑑』として賞賛され語り継がれ、1937年(昭和十二年)に『小学国語読本・尋常科用巻九』(しょうがくこくごとくほん・じんじょうかようかんきゅう。早い話が小学五年生向けの国語の教科書)に『三日月の影』という題名で彼の生涯が紹介され、まさに日本男児の魂魄かくあるべし!!と当時の子供達に若き英傑の心意気を広く知らしめたのですが…。



 世の中、表があれば裏がある。と申しまして。 ( -(,,ェ)-)

 山中鹿之介だって御家復興の為に奮闘努力しましたが、その歴史の中には『目的の為なら手段をぶな』という、酷薄非情なマキャベリズムを宗として活動していた時期がありました。


 1569年(永禄十二年)、主家滅亡から苦節三年、鹿之介は尼子家の血を受け継ぐ神輿である尼子勝久(あまごかつひさ)を京都で発見、これを説き伏せて御旗とし、隠岐島に渡航。
 現地の豪族・隠岐為清(おきためきよ)を味方につけ、怨敵・毛利家が北九州に出兵している間隙を突いて故郷・出雲国(現島根県東部)に上陸。
 『滅び去った尼子家を復興させん!!』と檄を飛ばしたところ、たちどころに三千人の旧尼子家関係者が集まりました。







 『これだけの同志が集まれば、尼子家のかつての本拠地・月山富田城を奪還するのも夢ではない!!』


 鹿之介は意気軒昂に、僅かな兵が守る月山富田城を攻撃しますが…――彼はいざ戦場に立てば鬼神の如く闘い、一騎討ちでは名だたる猛者達の首級を七十以上も挙げたという戦国武士ではあったものの、采配を振って麾下の軍勢を指揮することは苦手だったらしく、これを落とすことが出来ません。

 また、智勇兼備と謳われ"山陰の麒麟児"と賞賛されたわりに頭が単純明快で武将向きとは言えない性格だったらしく、月山富田城を守る敵将・天野隆重(あまのたかしげ)が齢七十歳近い歴戦の策略家であり、彼の兵法に良い様に翻弄されたのも大きな要因でした。

 結局、北九州から帰還した毛利軍…しかもあの吉川(きっかわもとはる)が後詰めに来るまでに城を陥落させることが出来ず、迎撃した布部山の合戦では惨敗と言って良いほどの醜態。

 三千人の旧家臣達や地元豪族は鹿之介の元から逃げ去り、鹿之介もまた御家復興の御旗である尼子勝久と一緒に命からがら逃げるより術もない有様でした。

( ・(,,ェ)・)。oO ( なお、これ以降鹿之介は尼子家復興の為に再三挙兵しますが、そのたびに吉川元春に攻撃されては惨敗…を繰り返し、生涯終盤の頃には『もう元春の来そうな場所で兵を挙げるのは諦めよう』と泣き言を吐く始末だったそうです。まぁ、相手が悪いっちゃあ悪いですが…。 )


 問題はこののことです。


 布部山の合戦で数多くの味方を失った鹿之介を筆頭とする尼子家御家再興TEAM、取りあえず伯耆国(ほうきのくに、現鳥取県西部)から因幡国(いなばのくに、現鳥取県中東部)へと逃れて毛利家の勢力圏に潜伏し、ゲリラ活動を行うことにしました。

 大勢を失った志ある勇者というのはたいてい、仲間が増えるまでは小規模の人数による奇襲強襲を旨とする野伏せの様な活動に身を投じることが多いのですが…――鹿之介は尼子家御家再興を邪魔した毛利家に怨みも復讐心もあったらしく、相当ひどいゲリラ戦を展開したようなのです。


 山中鹿之介が世を去って百年近く後の、江戸時代の延宝年間(1673〜1680年)に書かれた『因幡民談記(いなばみんだんき)によれば。

 山中鹿之介らは山賊や無頼漢たちを煽動して因幡国の神社・仏閣を脅迫・強襲しては財銭をい、民家や村落を見ては略奪・人さらい・放火・を繰り返し、毛利家の治安維持軍が来る頃には霞の様に姿をくらまし、居なくなるとまた暴れまわるという…


 ――おおよそ『英雄』とは言えない様な悪辣な戦術で土地土地を荒らしまわった
、としっかり記録されているのです。



 なんていうか、手口がすっごくイスラム原理主義過激派のテロリストみたい…というか、テロリストそのものですよね。



 
いちおう、鹿之介も無意味にジャイアンやってたわけではなく、こうやって暴虐無尽に暴れまわれば西は北九州、東は備前国(現岡山県東部)まで戦線が拡大していた毛利家の領内攪乱になり、しいては領民を守ることができない毛利家の権威失墜にもつながると信じての行動だったと思われるのですが…。


 残念ながら、この時点で既に毛利家は武田信玄・上杉謙信の総石高と総兵力を越しており、織田信長に次ぐ軍事力を持つ超大国。

 おまけに、日本最大の銀脈を擁していた石見国(いわみのくに、現島根県西部)の大森銀山からの銀発掘や、当時の中国を支配していた明王朝との貿易で莫大な富を得ており、その影響力は当時の西日本でも随一の港湾貿易都市だった北九州の博多や赤間関(あかまがせき、現在の山口県下関市)の町にまで及ぶという戦国大名に成長していました。



 ぶっちゃけた話、毛利家は山中鹿之介が多少領内で暴れようが騒ごうが揺らぎもしなければビクともしない大国になっていたのです。

 
 このことに気づいた鹿之介は作戦を変更し、毛利家と敵対している大名家を後ろ盾に仰ぎ支援を受けることで戦っていく作戦を取り、因幡の山名家や備前の浦上家を頼り、最終的には織田信長の庇護下に入って対毛利家戦線の急先鋒として活動していくことになるのですが…。



 山中鹿之介の盲目的な御家復興の夢と七難八苦の渇望に付き合わされた因幡国の人達には良い迷惑だったでしょう。戦前の教科書で彼がにわかに英雄視されたとき、その暴虐の記憶を残す地元の人達はどんな風に思ったんでしょうね…(汗。
 

 


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