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"歴史痛"の看板に偽りなし?戦国トリビアシリーズ【第二十一夜】

JUGEMテーマ:コラム

 

戦国与太噺。導入部、となぜ素直に命名出来ない。(画像は斬?スピリッツより)


■五月二十一日のトリビア

 やくざ物・任侠映画でお馴染みの引責手段である
 『をつめる』という行為、実は鎌倉時代以来の

       武士が不祥事を起こした際の慣習法である。  



■誇り高き鎌倉武士と、無作法な足軽、そして任侠やくざ。責任が小指なのは何故?

 
故・深作欣司監督によるやくざ映画の最高傑作・『仁義なき』。

 おそらく戦国歴史Fanの皆様でも、視聴したことはなくても、聞いたこと…特にそのメインテーマは誰もが一度は耳にしたことがあると思います。
( ・(,,ェ)・)。oO ( 赤髭はこれ聞くと、とんねるず・チェッカーズのパロディ『珍義なき戦い』の方を先に思い浮かべますが。 )

 主演の菅原文太を筆頭に、松方弘樹や金子信雄ら往年の名優たちの脂の乗り切った名演技、それまでの仁義任侠路線を根底から覆したリアル路線は視聴する者の心を捉え、その生々しいまでの人間模様・群像物語はまさに秀逸の一言。


 『広島弁のシェークスピア』という異名が心底納得できる、永遠に色褪せない邦画史に残る名作です。

 戦国時代とはまったく関連性がありませんが、元は同じ仲間だったやくざ達が頼りない親分をもったおかげで、血で血を洗う骨肉の内輪争いを演じることになり、最終的には一番仁義を通した菅原文太演じる主人公・広能昌三と一番仁義が無かった欲深策士・山守義雄だけが生き残ったというストイックなストーリー展開とラストシーンの鮮烈さは、まるでよく出来た戦国物語です。

 邦画好きで、やくざ映画に嫌悪感がない方でまだ視聴したことがないという方は、ちょっと人生損をしていると思います、ええはい。

 一度は視聴しておくことを強くお奨めしておきます。
( ・(,,ェ)・)。oO ( 赤髭は東映のまわしものではありません。念のため )



 さて、いきなりやくざ映画の話から入りましたが…――やくざが無様な失態や無作法な厄介ごとをしでかしたとき、必ず出るのが『指をめる』という行為。

 『仁義なき戦い』でも、山守組の賭場に難癖をつけてきた上田透(伊吹吾郎)の態度にぶちきれた広能が彼をぼこぼこにしてしまい、後日その責任を取って包丁で自身の指を詰めるという衝撃のシーンがありますが…。


 実は、この『指を詰める』という慣習は別にやくざの野蛮な責任拭いの方法などではなく、鎌倉時代から既に武士の間で広く慣習として知られ、戦国時代まで連綿と受け継がれた歴とした"士の作法"だったりします。



 戦国時代では、主に足軽や足軽組頭など比較的地位の低い者が戦場で誤って、もしくは故意に味方を殺してしまったり手柄首を盗むなど卑劣な行為を行った場合に執行される刑罰として一般的になっていました。

 特に取りざたされたのが、『誤殺』…合戦で間違って味方を殺してしまった場合。


 戦国武将達は性急な奇襲作戦、特に夜襲を敢行する場合は予め味方の軍勢に敵味方を区別するための合言葉や目印となるものを軍勢に普及させるのですが、それでも真っ暗闇での電撃戦であるため戦場の最前線では『とっさに合言葉を聞かれてえられなかった時』などには、味方が味方の雑兵を討ち取ってしまう、などの悲劇はそう珍しいことではありませんでした。


 当然、この時に『合言葉を忘れた方』が『合言葉を覚えていた味方』を返り討ちにしてしまったり、『合言葉をちゃんと覚えていなかった方』が『合言葉をきちんと言えた味方』をしてしまうことも多々あったでしょう。


 こういう場合、奇襲作戦という形式上のため多少の同士討ちはやむを得ないとして、加害者の過失は問われず殺された側は"たれ損"、という沙汰になることが多かったそうですが、あまりにも目に余るようだと『右手の指を詰める』という刑罰が科せられました。


 なぜ『大半の足軽にとって利き手であろう、右手からなのか?』と言えば、戦国時代の足軽はたいてい弓矢の技術が要求・優先される事が多いから。


 左手の別名を『手』
(ゆんで)と言うのは、右手で矢をつがえて弦を引き絞るのに対し、左手はその弓を持って弓・弦の張力を支えることが由緒とされています。右手より左手の方が戦闘力に密接な関係があったわけですね。


 また、一見すると"切ってしまってもどうということも無さそうに見える"小指ですが、実は小指は『握力』と密接な関係を持っています。

 小指がなくなってしまうと、力に自信のある足軽でも弓を引き絞る際の強い張力に握力が負けてしまい、二度と弓が引けなくなってしまうことが多かったのだとか。
( ・(,,ェ)・)。oO ( これは、重たいダンボール箱や植木鉢を持ち上げるとき『わざと小指だけ真っ直ぐ伸ばしてから持ち上げようとする』と、すぐ体験できます。小指があればすぐ持ち上げられるものでも、これをやるとかなりの重量を感じるはずです )


 しかし、地域によっては『足軽の武器は打物(うちもの。刀のことですね)や槍を握る方が大事、だから右手の小指はそうそうれない』という考え方から、左手の小指から切り落とすこともあったようです。

 
 ちなみに、既に右手ないし左手の小指を切られた足軽が同じような罪を犯した場合、反対側の小指を切り落とされ…それでもまた同じ失態を犯してしまった場合は薬指…と、順番に指がなくなっていきました。

 こうなってくるとその足軽は誰の目から見ても『平気で味方を殺したり騙し討ちしてしまう粗忽者、または同じ失敗を繰り返しても懲りないバカ』と一発で判ってしまいますから、同じ軍勢にあっても同僚に嫌われることが多かったそうです。



 赤髭も、粗忽者というほど気は荒くありませんが動揺したり慌てたりすると同じ轍を二度も三度も踏んでしまうきらいがあります。

 もし戦国時代なら…――指の一本や二本、なくなっているかも知れませんね。映画の中の菅原文太さんは小指を落として男を上げましたが、皆さんは是非是非、職場での他愛も無いミスには気をつけて下さい。


 菅原さんみたく失敗を糧に男に磨きがかけられる任侠な性質の人なら、それもありかもしれませんが。
(*-(,,ェ)-)。oO ( いまどき、そんな絶滅危惧種な大和男児がいるか。 )



さらに戦国時代の知られざる秘話やためになる格言、知識を得たい人は
筆者ホームページ『赤髭亭』へGo!!

■赤

http://akahigetei.extrem.ne.jp/main.html


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☆【日本の歴史】もっと戦国時代を知ろう! おもしろすぎる戦いの数々

富田様のサイト。戦国時代における合戦にスポットを当てて紹介されています。

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